単肥とは

単肥とは

単肥は成分が1種類だけ含まれている肥料のことをいいます。

単肥に対して2種類以上の成分を含んだ肥料を複合肥料といいます。

 

単肥の特徴

  • 特定の成分を供給できる

単肥は土壌中に不足した成分だけを補うことができます。

 

  • 速効性がある

単肥は特定の肥料成分しか含まれていないため、施用するとすぐに効果が出るものが多いです。

水溶性の単肥を施用すれば、数日で植物へ効果があらわれます。

 

  • 単価が安い

単肥は化学肥料に比べて成分あたりの単価が安く、コストパフォーマンスが良いです。

 

単肥の種類

窒素成分
窒素は植物の三大栄養素の一つで、特に葉や茎の生長を促進し、光合成を活発にするための重要な栄養素です。
  • 尿素

窒素成分が約46%含まれており、化学肥料の中で最も窒素含有量が高いです。

水に溶けやすく速効性があるので、追肥として液肥や葉面散布として施用することが可能ですが、成分濃度が高いので過剰施肥に注意が必要です。

中性の性質なので、土壌phの変化がありません。

※全窒素の50%以上が尿素態の肥料は、ガス害が発生することがあるので、ハウスやトンネル栽培には使用しないほうが良いとされています。

※アルカリ性資材(石灰や草木灰など)との混合は避けましょう。

  • 硫安(硫酸アンモニウム)

硫安は硫酸とアンモニウムが結合した硫酸アンモニウムの結晶からなる化合物で、窒素約21%が成分保証されています。

水に溶けやすい速効性の窒素肥料です。

硫安に含まれている窒素は、アンモニア態窒素です。アンモニア態窒素は、土壌によく吸着され、流亡することが少ないため、元肥、追肥として施用することができます。

施肥後は土壌に硫酸根が残るので土壌phの低下に注意が必要です。

  • 塩安(塩化アンモニウム)

塩安は塩酸とアンモニウムが結合した窒素肥料で、窒素成分は約25%含まれています。

硫安以上に溶けやすく、速攻性が強いのが特徴です。

元肥、追肥どちらにも使うことができますが、吸湿性も高く、葉に触れると葉が焼ける恐れがあり、与えすぎると肥料焼けの恐れもありますので、少しづつ施用することが重要です。

硫安同様、多量施肥は土壌phを酸性に傾けますので注意が必要です。

  • 硝安(硝酸アンモニウム)

硝安は硝酸とアンモニウムが結合した窒素肥料で、窒素成分は約34%含まれています。

硝安も水に溶けやすく、速効性があります。

元肥、追肥双方で施用できますが土壌中に留まらず、流出が早いのが特徴です。

塩安以上に吸湿性が高く、葉にかかると葉焼けを起こしたり、過剰施肥で肥料焼けを起こす場合があります。

中性肥料で、土壌が酸性に傾くことはありません。

※硝酸アンモニアは強力な酸化性物質で、助燃性と爆発性が高く、昔から火薬の原料等にも使われてきた物質です。熱や衝撃を加えず、安全な場所での保管が必要です。

 

リン酸成分
リン酸は、植物の三大栄養素の一つで、実肥とも呼ばれ花芽の形成や開花、着果の安定、果実の成熟を早める効果があります。また、根の生長を助け、水分や栄養素の吸収効率を高めます。
  • 過リン酸石灰(過石)

リン酸カルシウムを主成分とした肥料で、石灰にリン酸を反応させて作られ、土壌の酸性を中和する効果とともに、植物への栄養分の供給を目的としています。

過リン酸石灰は、可溶性リン酸として15%以上、水溶性リン酸を13%以上含むことが保証されています。

過リン酸石灰に含まれるリン酸は、水溶性リン酸が多く、水に溶けて作物に吸収されやすいです。そのため、速効性のあるリン酸肥料として使用することができます。

リン酸以外に、硫黄、石灰(カルシウム)、苦土(マグネシウム)、鉄などの多量要素・微量要素が含まれているので、それらの補給としても役立ちます。

石灰を含んでいますが、酸性の土壌を調整する働きはありません。

  • 重過リン酸石灰(重過石)

過リン酸石灰と同様に主成分はリン酸カルシウムですが、リン酸含有量が高く、可溶性リン酸は30%以上、水溶性リン酸は28%以上含まれています。

元肥や追肥として施用でき、通常の過リン酸石灰のほぼ2倍のリン酸を含むので少ない量で効果的に肥効を表します。

水溶性リン酸が多く含まれているので、初期成育の悪い土壌や寒冷地において特に効果を示します。

重過リン酸石灰は生理的に中性肥料なので毎年連用しても土壌を荒らしません。

  • 熔成燐肥

ようりん(熔リン)とも呼ばれ、水に溶けにくい「く溶性リン酸」を20%程含んでいます。

水に流亡しにくく、ゆっくりと長く効きます。

リン酸成分のほか、ケイ酸、石灰(カルシウム)、苦土(マグネシウム)成分を含有している為、酸性土壌や火山灰土壌での元肥として土づくり・リン酸補給に最適です。

アルカリ分を約50%含むので、土壌のpH調整効果もあり、酸性土壌で活性化するアルミナの力を弱めることにも役立ちます。

 

  • BMようりん

ようりんにマンガン、ホウ素を含ませたものでようりん肥料と同様の特長を備えています。特に果樹、花卉、野菜類に好適です。

マンガン、ホウ素欠乏地帯の土壌に施用すると効果的です。

 

カリウム成分
カリウム(加里)は、植物の三大栄養素の一つで、根の生育を助け、植物全体の成長促進や病害虫への抵抗力を高めます。
  • 塩化カリウム(塩化加里)

塩化カリウムはカリウムを60%以上含み、水に溶けやすく速効性があります。

元肥と追肥のどちらにも使うことができます。特に果菜類では果実のカリウム必要量が大きいので追肥として重宝します。

塩化カリウムは塩分を多く含むため、過剰施肥により土壌中の塩分濃度が上昇し、生育不良や作物の品質低下などの塩類障害を引き起こす可能性がありますので注意が必要です。

植物にカリウムが吸収されると塩酸が残るので土壌が酸性化します。施用後には土壌pHの低下に気を付けましょう。

 

  • 硫酸カリウム

硫酸カリウムは、天然のカリ鉱石、または塩化カリウムを原料としており、水溶性カリ成分が45%以上含有されています。

肥と追肥のどちらにも使うことができます。果菜類やイモ類の肥料として適しています。

硫酸カリウムの成分は、水溶性のカリウムで水に溶けやすく速効性があります。速効性ではありますが、カリウムイオンが土壌によく吸着・保持されるため、流亡は少ないです。

硫酸イオンが流亡しにくく、土壌に蓄積しやすいため、土壌phを下げ、酸性化させる恐れがあります。

土壌に肥料成分が蓄積して連作障害の要因となる塩類集積が塩化カリウムに比べておきにくいのも特徴です。

 

単肥施用の注意点

過剰施用を避ける

単肥は特定の栄養素のみを含むため、他の栄養素のバランスが崩れやすくなる可能性があります。

土壌全体の栄養バランスを確認しながら、施用することが重要です。